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水辺の自然を中心としたブログです。夫婦でやっています。


by 佐野真吾、歩海

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ハイイロゲンゴロウ_b0348205_09384696.jpg
〈ハイイロゲンゴロウ Eretes griseus, 神奈川県〉
 思えば、このブログでハイイロゲンゴロウについて書いたことがありませんでした。もっとも普通種で「いつでも写真撮れるからいいや~」と思っていたのか、気合い入れて撮った写真が一枚もないことに気が付きました。
ハイイロゲンゴロウ_b0348205_09385365.jpg
 ハイイロゲンゴロウは、世界で4種に分類されています。

E. griseus(日本でも見られるハイイロゲンゴロウ)
E. sticticus(アフリカ、ヨーロッパ、アジア、アメリカ)
E. australis(オセアニアに分布)
E. explicitus(北アメリカに分布) 

 それぞれの種の詳細な分布はよく分かりませんが、本属は世界中に広く分布し、E. griseus(日本にもいるハイイロゲンゴロウ)に限っては、国内全域はもちろん、東南アジアでも普通に見かけます。また、ベトナムの1000mを超える高山域でも見たことがあります。また、プールや水溜りでも発生するので、ザコ扱いされがちな種なのですが、世界のゲンゴロウ類の中では極めて特殊な種です。

 水面から直接飛び立てるほどの飛翔力を持ち、形態も独特です。また。そんな身近な種なのにも関わらず、意外にも生態等、謎の多い種でもあります。つまり研究するにはネタの多い種なのです。
ハイイロゲンゴロウ_b0348205_09390325.jpg
〈ハイイロゲンゴロウを採集した横浜市の海〉 
 今年の7月、仕事で横浜で観察会をやったのですが、それに参加してくれた観音崎自然博物館 ジュニア生物調査隊員のダイちゃんこと吉原大地くんと、観察会後に海の生きものの採集をしていました。すると遠くの方で採集していたダイちゃんが「ハイイロゲンゴロウが採れた!」と言いました。

 えー!海の中で!?

 その後私も同じように1個体採集しました。近くに川もないし、流されてきたわけでもなさそうだし、ハイイロは海に落ちてもへっちゃらなのではないか!?と思われました。
 実際、潮だまりやタイドプールでも多く記録されているので、潮水に強いことは知られていましたが、完全な海水中で、なおかつ複数個体が採集された例はないと思うので月刊むしで報告させていただきました。
ハイイロゲンゴロウ_b0348205_09391113.jpg
〈1月に採集したハイイロゲンゴロウの死体〉
 ハイイロゲンゴロウは夏場は多く見かけますが、冬場はほとんどみたことがありません。もしかしたら、ウスバキトンボのように南の方からやってきて、夏場に繁殖し、冬には死滅するのではないかと、勝手に思っているのですが、海に落ちても生きていられるのであれば、海を渡っての長距離移動も可能なのかもしれません。うむ!まさに海を歩くゲンゴロウなのかもしれません!


by shingo-ayumi | 2019-11-23 22:23 | ゲンゴロウ | Comments(0)