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水辺の自然を中心としたブログです。夫婦でやっています。


by 佐野真吾、歩海

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ミクラミヤマクワガタと神山の結界

ミクラミヤマクワガタと神山の結界_b0348205_11101780.jpg
〈ミクラミヤマクワガタ Lucanus gamunus, 御蔵島〉
 ずいぶん前の話ですが、2014年に、ミクラミヤマクワガタを見に御蔵島に行ったことがありました。ミクラミヤマクワガタは子どもの頃から憧れていたクワガタでした。
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〈御蔵島の森〉
 小学校の低学年頃、「クワガタクワジ物語」という子ども向けの本を母に読んでもらったことがありました。内容は、小学生の子どもが「クワジ」と名付けたコクワガタを飼育しながら、いろいろなことを経験し、成長していくという話なのですが、その中でミクラミヤマクワガタを探しに行く話が出てくるんです。世界で御蔵島と神津島にしかいない不思議なクワガタを追って、著者のご家族が秘境の離島に踏み込む話はとても魅力的でした。影響を受けた私は「僕も御蔵島に行きたい!そしてミクラミヤマクワガタを見てみたい!」と両親にうったえました。そしてまずは、ということで、博物館に標本を見に連れて行ってもらいました。
 しかし、私の熱が水生昆虫に集中してしまったことや、2000年に起きた三宅島の噴火、ミクラミヤマクワガタの採集が禁止されたことなどもあり、いつのまにか御蔵島への熱も冷めてしまっていました。

 ところがある時、妻が御蔵島でドルフィンスイムをやりたいと言い出したのがきっかけでミクラミヤマクワガタのことを思い出しました。せっかく行くならミクラミヤマクワガタが見られる時期に行きたい!ということで話がまとまり、10数年越しに、念願だった御蔵島に行くことになったのでした。
ミクラミヤマクワガタと神山の結界_b0348205_11125288.jpg
 散策開始!

 東京の竹芝からフェリーに乗り、船内で一泊し、翌日早朝に御蔵島に着きました。午前中は妻とドルフィンスイムをし、午後は私だけ森に入りました。翌日は二人で森に入り陸の生き物を観察しました。

 さて、ミクラミヤマクワガタは、昼間から普通に路上を歩いていると言いますが本当にそうなのでしょうか。
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 島にある道路を歩いていると、あっさり見つかりました!笑
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 御蔵島は、周囲約16kmの小さな島ですが、島内のほとんどが森で、標高はなんと約850mもあります。そのため、道も急峻で、何かを落とすとどこまでも転がって行ってしまいます!私もクワガタの撮影に夢中で、横に置いておいたレンズを倒してしまい、はるか下の方まで転がしてしまいました…(レンズは奇跡的に無事でした…笑)
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 ちなみに成虫の寿命は一ヵ月程度なので、死体もたくさん落ちていました。
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 翅に赤みや黄色みを帯びている個体もチラホラ見かけました。
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〈ミクラミヤマクワガタの♀〉
 こちらはメスです。メスはオスより若干遅れて徘徊をするようです。この時は5月29日から6月1日という日程でしたが、圧倒的にオスの方が多かったです。
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 ちなみにミクラミヤマクワガタは地表徘徊性の昆虫で、翅を広げて羽ばたくことはありますが、飛翔と呼べるほど飛び上がって空中を移動することはありません。これは小規模な島嶼に分布するため、飛翔中に風に飛ばされると海に落下してしまう可能性があるためそれに適応したものだと言われています。
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〈スジクワガタ〉
 スジクワガタも何個体か路上で見つけました。 八丈島のハチジョウノコギリクワガタなど、伊豆七島のクワガタは地表徘徊性の種が多いと言いますが、スジクワガタもそうなのでしょうか??
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 さて、先ほどミクラミヤマクワガタは世界で御蔵島と神津島にしかいない固有種であると書きましたが、ではなぜ御蔵島と神津島だけなのか!?と思いますよね。そんな謎を解くヒントとなるクワガタが遠く離れた中国福建省にいます。パリーミヤマクワガタLucanus parryiというクワガタです。パリーミヤマクワガタとミクラミヤマクワガタは同系統の親戚のような関係だそうです。

 では、なぜ中国福建省に親戚がいて、その間の日本の本土にはいないのか?その理由の最も有力な説として、地殻変動による環境の変化や生存競争による絶滅が言われています。つまり、大陸と島がつながっていた頃は広く分布していましたが、地殻変動により切り離され、さらに環境変化に適応できなかったものは絶滅してしまい、偶然適応できたものは御蔵島と神津島に生き残ったという説です。このような種を“遺存種”といいますね。

 さらに、離島であるため、天敵となるヒキガエルやイタチなどの捕食者がいなかったということや、三宅島のような大規模な噴火に見舞われなかったというのも大きな理由だと考えられています。まさに偶然と奇跡のクワガタです!
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 でもミクラミヤマクワガタが今もなお健在な理由はそれだけではありません。御蔵島には良好な森林が残っていることも大きな理由だと言われています。御蔵島には古来より「神山」と呼ばれる巨樹を中心とした自然信仰があり島の人々は森を大切にしてきたそうです。「神山」というのは呼んで字の通り神様が住んでいる森であり、神山とされた森は島内に14ヵ所あったそうです。そしてその14ヵ所の神山は、結界のように島をぐるりと囲んで海を見渡せる場所に点在しているそうです。
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 平成7年の台風12号の影響で御蔵島は大災害に見舞われました。しかしその時、神山だけは被害を受けなかったそうです。近くの山で起こった土砂崩れも神山の寸前で止まったそうです。まさに結界ですね!
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〈ミクラクロヒカゲ〉
 昔の人たちは、島の森の中で災害を受けない場所を知っていて、その場所を神山としたと言われています。そんな神山は森の核として島の暮らしや自然を守るためにずっと昔から大切にされてきたのです。そんな自然信仰もあり、御蔵島の人々は木を切ったら必ず代わりの木を植え、子どもや孫が生まれると、男の子だと1000本、女の子だと2000本植えるように文化を築いてきたそうです。すごいですよね!
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 というわけで、ずいぶん懐かしい話を書いてしまったのですが、今年は久しぶりに御蔵島に行く計画を立てています。ミクラミヤマクワガタが目的ではありませんが、思い出深い虫だし、当時はカメラもレンズも古い機種だったので、改めてカメラを持って観察したいなと思っています。


by shingo-ayumi | 2020-02-17 18:19 | 虫いろいろ | Comments(2)
Commented by 田中 at 2020-02-18 18:05 x
小学校低学年頃にお母さんに読んでもらう本にしては難し過ぎる本ですね。さすが佐野さん。(笑)
ミクラミヤマクワガタはミヤマというよりはスジクワっぽいですね。うちのダイスケも一目見て「スジクワ!」って言ってました。ミヤマだって言ったら驚いてましたよ。
ただ、歩いて移動するとこはミヤマっぽいかも…?
遠くに飛べないように進化(退化?)することは島と運命を共にするようなものですよね。とても危いクワガタですね。
Commented by shingo-ayumi at 2020-03-02 23:24
> 田中さん
いえいえ!そんなことなくて本当に小学生向けの児童書ですよ(^^)

御蔵島と神津島の間にある三宅島にも昔はいたのかもしれません。でも火山活動が活発な島だから滅んでしまったのかもしれません。おっしゃる通り、島と運命を共にするクワガタです!