海を歩くゲンゴロウ:虫いろいろ
2023-12-27T17:11:26+09:00
shingo-ayumi
水辺の自然を中心としたブログです。夫婦でやっています。Kanagawa, Japan
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コカスリウスバカゲロウの幼虫
http://cybister20.exblog.jp/33609369/
2023-12-27T17:11:00+09:00
2023-12-27T17:11:26+09:00
2023-12-27T14:23:45+09:00
shingo-ayumi
虫いろいろ
〈コカスリウスバカゲロウ Distoleon nigricans, 神奈川県〉 浜辺で時々見かけるアリジゴクがいます。コカスリウスバカゲロウの幼虫です。普通のウスバカゲロウのようにアリジゴクの巣は作らず、砂浜の上を徘徊しています。 海から少し離れた乾いた砂にいることが多く、冬場は岩や漂着物、海浜植物帯などでも見られます。 以外に大きい!
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ハマヒョウタンゴミムシダマシ
http://cybister20.exblog.jp/33598693/
2023-12-21T12:35:00+09:00
2023-12-21T12:35:13+09:00
2023-12-21T12:13:21+09:00
shingo-ayumi
虫いろいろ
〈ハマヒョウタンゴミムシダマシ Idisia ornata, 神奈川県〉 2019年、せっかく海の近くに住んだし、子どもが産まれて自由に遠くにも行けないし、地元で海浜性昆虫でもやってみようかなと思い、それからちょいちょい採集をしてきました。
とは言ったものの、やりはじめてもイマイチ興味が持てず、博物館に授業で来た高校生たちを巻き込み、仕事でやれば覚えるだろうと調査をしました。しかしそれでも大ハマりすることはなく、結局中学生ボランティアのジョーくんの方がハマってしまいました。そんなイマイチ気が乗らない海浜性昆虫でしたが、その中でも「これは良い虫だ!」と思えたのがこのハマヒョウタンゴミムシダマシでした。白と黒の可愛らしい模様が特徴で非常に虫屋心に刺さる虫です。地味な海浜性昆虫の中ではぴかイチに華のある虫です! 砂浜ならどこでもいるというわけではなく、比較的乾いた場所を好みます。湿った砂浜はあまり好まないようです。 先日、家族で砂浜に行ったのですが、ちょこっと探してみるとここでも見つけることができました。砂浜の石をひっくり返したり、海浜植生の根際をいじったりして探していると、妻には「どこに行っても楽しそうだねー!」と言われました。ちなみにミー坊は謎の青いマントを付けて、ひたすら砂浜を掘っていました…。
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ヤエヤマネブトクワガタ
http://cybister20.exblog.jp/33514515/
2023-11-01T20:00:00+09:00
2023-11-01T20:01:20+09:00
2023-10-31T00:19:15+09:00
shingo-ayumi
虫いろいろ
〈ヤエヤマネブトクワガタ Aegus ishigakiensis ishigakiensis , 石垣島〉 八重山列島の石垣島・石垣島に分布するネブトクワガタです。今回は石垣島で林道の路上を歩いていた個体と沢の朽ち木にいた個体を見つけました。 ちなみにヤエヤマネブトクワガタは原名亜種のA.i.ishigakiensisと、与那国島亜種A.i.mizunumai(ヨナグニネブトクワガタ)にわけられています。
ヨナグニネブトは石垣・西表の亜種に比べて黒色味が強く、光沢が強く、前胸背板の中央部はくぼまずに縦長の点刻部がないそうです。
与那国島では採ったことがありませんが、石垣島と西表島では今回と同じようにコンクリートの路上を歩いている個体を数回採ったことがあります。でも狙って採ったわけでなく偶然拾ったという感じです。伊豆七島でもそうですが、離島のネブトは路上を歩いている個体を拾うことが多い気がします。
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サキシマヒラタクワガタ
http://cybister20.exblog.jp/33514461/
2023-10-31T22:29:00+09:00
2023-10-31T22:37:55+09:00
2023-10-30T23:22:54+09:00
shingo-ayumi
虫いろいろ
〈サキシマヒラタクワガタ Dorcus (Serrognathus) titanus sakishimanus, 石垣島〉 国内では大型になるヒラタクワガタとして人気の高い種です。南西諸島に分布する種の中では最も大型化するのではないでしょうか。石垣島、西表島、与那国島など、八重山列島の有人島のほとんどに分布し、本土のコクワガタのように最もポピュラーなクワガタです。
今回の旅は10月下旬でしたが、それでも多くのサキシマヒラタクワガタを観察することができました。 本種は70mmを越える大型個体が出現するものの、野外ではツシマヒラタクワガタのように60mm台が一番多いというような感じではなく、50mm前後の個体が最も多く、70mmを越える個体は稀だと思います。
以前、6月に訪れた時に、アカメガシワやショウロウクサギに鈴なりになっている光景をみたことがありました。その時の印象が強かったので、サキシマヒラタはいたって普通種で個体数も多く、いつ行っても採れるようなものなのだろうと勝手に思っていたのですが、今回の旅ではアカメガシワやショウロウクサギではまったく見られず、9割の個体がタブノキの若い樹から観察されました。どうやら時期によって付く樹種が変化するようです。
個体数は20個体くらい見かけたので、多いと言えば多いですが、6月頃の鈴なり状態に比べるとそこまでではないなという印象でした。また、本土のヒラタクワガタのように秋の後期発生もあるのではないか?と期待していたのですが、新成虫らしき個体はまったく見られず、観察したほとんどの個体が大顎や脚に欠損があったり、土まみれだったりでいかにも発生後期という印象を受けました。 60mm以上の比較的大型個体は、若い樹ではなく、少し大きめのタブノキで見られました。 サキシマヒラタは人気のあるクワガタですが、現地での詳細な生態や行動に関する文献や情報がほとんど見つけられず、実はあまり研究されていないのではないか?と思いました。クワガタの専門家ではないので、はっきりとしたことは分かりませんが、印象としてはもちろん本土のヒラタクワガタや対馬のツシマヒラタとはだいぶ異なる生態や行動をしているし、同じ南西諸島でも奄美群島に分布するアマミヒラタやトクノシマヒラタともまた違った生態・行動・出現をしている気がします。改めてサキシマヒラタもちゃんと調査したら面白そうだなぁと思いました。
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灯火採集をしたらクワガタが50匹来た!
http://cybister20.exblog.jp/33386660/
2023-08-11T21:21:00+09:00
2023-08-11T21:21:14+09:00
2023-08-11T14:35:26+09:00
shingo-ayumi
虫いろいろ
行く途中の外灯下でオオクワガタの頭を拾いました。これは期待できる!? 日が暮れたので灯火採集開始です。 ライトを付けた瞬間に大量のガが集まってきました。また、近くに水田や池がないのにも関わらずコミズムシやガムシなどの水生昆虫も多く集まってきました。
さて結果は!?
〈ミヤマクワガタ〉 ミヤマクワガタは全部で34個体でした。すげー!しかも♀ばっかり!
〈ノコギリクワガタ〉〈アカアシクワガタ〉
〈オオクワガタ〉
ライトで採集できたのはミヤマ34個体、ノコギリ13個体、コクワ5個体、アカアシ1個体、オオクワ1個体でした。ちなみに、ライトトラップをやるとたくさんの虫が集まりますが、採集終了後にそのまま放置すると、自分で山に帰る個体もいる一方で、大多数がカラスなどの捕食者に食べられてしまうのです。特に甲虫は帰るより先に食われる個体が多いので、集まった虫は一時的に捕獲し、灯火採集終了後に山に逃がすようにしています。
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チョウセンヒラタクワガタ
http://cybister20.exblog.jp/33324929/
2023-07-01T01:59:00+09:00
2023-07-23T14:07:31+09:00
2023-07-01T01:59:04+09:00
shingo-ayumi
虫いろいろ
〈チョウセンヒラタクワガタ Dorcus consentaneus,対馬〉 国内では対馬にのみ分布するクワガタで、titanusではないヒラタクワガタです。日本にはヒラタクワガタ Dorcus titanus、スジブトヒラタクワガタDorcus metacostatus、チョウセンヒラタクワガタDorcus consentaneusの3種が知られており、いわゆる普通のヒラタクワガタやツシマヒラタ、サキシマヒラタ、オキナワヒラタなどは、スラウェシ島のオオヒラタクワガタDorcus titanus titanusの亜種として扱われています。
そういった面から見てもチョウセンヒラタは、国内では少し変わった種として位置づけられているのです。〈チョウセンヒラタクワガタ中型個体〉
チョウセンヒラタはずいぶん昔に、一度知り合いに貰って飼育したことがありました。華奢で繊細な感じが気に入り、いつか野生でも見てみたいと思っていました。〈チョウセンヒラタクワガタ小型個体〉
知り合いが対馬に行ったけどチョウセンヒラタは採れなかったと言っていたので、難易度が高いのかと思っていましたが、今回は数地点で結構簡単に見つけることができました。 チョウセンヒラタを野外で見つけてまず思ったのは、地面や樹の根本にいることが多いということです。稀に樹に登っている個体もいましたが、それほど高い所までは登らないようで、比較的高い位置にまで登って樹液を吸っているツシマヒラタとは棲み分けている印象でした。また、海岸に近い貧弱な林に多く生息するという情報もあったのですが、今回は海岸付近に限らず内陸部でも多く見られました。まぁ島なので、どこまでが海岸付近なのか?というのもありますが…笑 上の写真くらいの小さな個体が多かったです。〈チョウセンヒラタクワガタ♂の比較〉
しかし、小型のツシマヒラタと中型のチョウセンヒラタは、野外でいきなり見つけた時に意外と見分けが難しく、見つけた個体をなるべく多くキープし、撮影して比べてみることにしました。
ちなみにこのようなことを書くと「乱獲だー!」と言う人が時々いるのでいちいち書きますが、撮影した後は元の林に戻しに行きました。業者じゃないんだからこんなにたくさん持って帰らんわ!採り過ぎたら後から標本作業が大変だろ!いちいち書かせるなよ想像しろよ!という思いと、そういう一文を付け加える茶番のような風潮も好きではないのですが、シンプルに心配される方もいるかもしれないので一応書いておきます!笑〈チョウセンヒラタクワガタのサイズによる大顎の比較〉〈チョウセンヒラタとツシマヒラタの違い〉
チョウセンヒラタの特徴
まず、オスの場合、チョウセンヒラタは大顎は細長く弓状に湾曲し、先端部で強く曲がります。また、大顎の外側は丸みを帯びています。
ツシマヒラタの特徴
一方ツシマヒラタの大顎は、比較的直線的に長く発達し、先端部で強く湾曲します。
でもこれは大型個体だからこそ分かる見分け方で、小さい個体はどうなんだ?ということです。
〈チョウセンヒラタ・ツシマヒラタの♂ 前脚での見分け方〉
個人的には前脚での見分け方が大型個体でも小型個体でも共通して分かりやすいと思っています。チョウセンヒラタ♂の前脚は先の方で湾曲するのに対して、ツシマヒラタ♂は湾曲しません。ちなみに♀もチョウセンヒラタの方が湾曲が強い印象があります。
〈チョウセンヒラタ・ツシマヒラタ ♀の比較〉
次はメスです。メスは難しいです!特に大型のチョウセンヒラタ♀と小型のツシマヒラタ♀は大きさも同じくらいで分かりにくいです。チョウセンヒラタの方が全体的に細長くて華奢です。
〈チョウセンヒラタ・ツシマヒラタ ♀の眼縁突起の比較〉
チョウセンヒラタ♀は眼縁突起が複眼を覆い、ツシマヒラタ♀は眼縁突起が複眼をすべて覆わず途中で切れるそうです。しかし、正直肉眼では結構分かりにくいです。カメラで撮影して拡大すると分かるかもしれません!チョウセンヒラタの眼縁突起はツシマヒラタに比べて小さく目立たないというのも印象的です。しかし、もっと分かりやすい見分け方はないものでしょうか…
というわけで、秘かに憧れていたチョウセンヒラタクワガタの観察をしてきました。
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ツシマヒラタクワガタから見る対馬の自然
http://cybister20.exblog.jp/33318378/
2023-06-27T03:00:00+09:00
2023-06-28T12:11:16+09:00
2023-06-27T03:00:17+09:00
shingo-ayumi
虫いろいろ
〈ツシマヒラタクワガタ Dorcus titanus castanicolor, 対馬〉 2023年6月、観音崎自然博物館ジュニア生物調査隊で行く夏合宿の下見として対馬に行ってきました。下見では対馬らしい生き物をいろいろ見てきたのですが、その中でも特に印象深かったのが、このツシマヒラタクワガタでした。
ツシマヒラタクワガタは国内では対馬にのみ分布し、日本最大のクワガタとして知られ、最大84mmという記録があるほど大きなクワガタです。対馬に行ったら見てみたいと思っていましたが、実際行ってみると、真面目に探すこともなく難なく見つけることができました。 クヌギの細い木をふと見上げると「いた!」といった感じで、「こんな感じで普通にいるんかい!」と驚きました。
その後、今度は真面目に探してみようと思い森に入ると、本土でいうコクワガタのような感覚でたくさん見つけることができました。 印象としては60mmくらいの個体が最も多く見られました。
僕は寝ている時によく夢を見るのですが、夢の中で大きなクワガタが樹にたくさん付いていたり、洞の中に入っていたり、それを採ったり引っ張り出したり、そんな夢の中の光景が現実世界に広がっていました。 大型の♂は洞を占有し、洞の中に2,3個体の♀を住まわせていることが多かったです。 こいつはデカイ!? 今回見つけた個体の中で一番大きかった個体。クワガタ好きの人がよく「何mmだ!」とか大きさを重要視していますよね。数ミリ単位の大きさで競い合うことにはあまり興味のない僕ですが、これほど大きな個体に出会って思わず大きさを計ってしまいました。すると体長はなんと76mm!さすがにこんなにデカいクワガタは採ったことがありません。昔採ったトクノシマヒラタクワガタやサキシマヒラタクワガタも大きなぁと思いましたが、ツシマヒラタは別格でした。
ちなみに小さい個体は洞の中ではなく、普通に樹に付いていて、ウロウロ歩き回りながら見つけた♀と交尾している個体が多かったです。 2日目の夜。大きさと大顎の形状を撮影しようと、たくさんのツシマヒラタをキープしておいたのですが、夜は土砂降りになってしまったので次の日に逃がそうと、ケースに入れて民宿の部屋に持ち帰りました。しかし、深夜3時頃。突然お腹の上に何かが落ちてきて目を覚ましました。寝ぼけながらお腹のあたりに手をやると「え?クワガタ!?」と思い目を覚ましました。すると、部屋の中にとんでもない翅音が轟いていることに気が付きました。
さすがツシマヒラタです。ものすごい力でケースを自力で開けてしまったようです。さらにケースの仕組上、1個体が逃げ出すと他の個体も逃げられるようになっていたため、すべての個体が逃げ出し部屋中飛び回っていたのでした。かくして夜を徹したクワガタの回収作業が始まりました。そしてすべての個体を収容した時には、すでに4時をまわっていたのでした…。
〈切られた台場クヌギ〉
さて、対馬にはなぜこんなにもたくさんのツシマヒラタクワガタがいるのでしょうか。フィールドを歩きまわり、民宿の御主人や農家の方と話をする中で、対馬の自然や文化、歴史、民俗が大きく関係していることが分かりました。 対馬では主にシイタケを採るために、たくさんの榾木(ホダ木)を利用しているのです。また、ところどころで炭焼もやっているそうです。そのため、たくさんのクヌギを切り、植えているのです。切られたクヌギは大きな台場クヌギとなる樹もあります。〈まだ若いクヌギ林。斜面から尾根に植えられている〉
榾木をとるために、クヌギを植えて、数年後に伐採し、それを榾木サイズにさらに切って、里におろし、少し乾かしてから組んで並べ、菌を打ち込むそうです。民宿の御主人が教えてくださいました。昔は誰もがやっていて、それを仕事にしている人もいれば、木を切って運び出すことを専門にやっている人もいるそうです。
個人でやっている人も多くいましたが、それでも70代、80代とお年寄りが増えてくると、作業がしんどくなってやめてしまった人も多いとのことです。ちなみに民宿の御主人いわく、山から里へ樹を下す作業が一番しんどうそうです。ちなみにご主人が、若い頃、シイタケ専門にやっている70代くらいのオジイサンのお手伝いで、一緒に山に入り木を切って下ろす作業をしたそうです。ご主人は若さで気合いを入れて木を切り下ろす作業をしていたそうですが、木を下ろす作業がしんどすぎて途中でバテてしまったそうです。しかし、70代のオジイサンはゆっくりだけどペースを乱すことなく、最後まで手を止めず作業を行い、結果ご主人の何倍もの木を切り山から下ろしたそうです。
〈植えられたばかりのクヌギ〉 クヌギ畑のようになっている。ちゃんとシカ避けの柵もはってある。 そのすぐ横の葉っぱにツシマヒラタがいました。クヌギの幼木にとっては幹をかじってしまうツシマヒラタは害虫かな? ジュニア生物調査隊中学部の合宿でもツシマヒラタは一つテーマにしたいと思っていますが、ただデガイ!カッコイイ!たくさんいる!すげー!で喜ぶ合宿にするにはもったいないなと思いました。
対馬の自然と文化と歴史と民俗がツシマヒラタのいる環境を残してきたわけで、現在でもそれが辿れるということが貴重で重要なことだと思いました。そんなところを中学生には見てもらいたいなと思っています。
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ミドリシジミ
http://cybister20.exblog.jp/33278878/
2023-05-29T23:11:00+09:00
2023-05-29T23:11:31+09:00
2023-05-29T23:11:31+09:00
shingo-ayumi
虫いろいろ
〈ミドリシジミ Neozephyrus japonicus, 茨城県〉 最近、僕の周りにいる中学生たちが「ゼフィルスを採りたい」と時々口にする。ゼフィルスとはミドリシジミの仲間の通称である。ギリシャ神話の「西風の精」からとられており、ミドリシジミの仲間以外にもアカシジミの仲間やオナガシジミの仲間などもひっくるめてこう呼ぶのである。
そんな自分も小学生から中学生頃に少しハマった時期があった。 私の地元である横浜・三浦地域にはミドリシジミ、オオミドリシジミ、アカシジミ、ウラナミアカシジミ、ミズイロオナガシジミ、ウラゴマダラシジミの6種が分布している。その中でもお目にかかる機会が少ないのは普通のミドリシジミだった。そもそも食草であるハンノキがある場所が限られていた。おまけに平日は学校があり、発生時期である6月頃は中間テストに追われる中学生にとっては難易度の高い虫だった。それでも頑張って探しに行って、夕方の黄昏飛翔を狙って採集できた時の喜びは今でも鮮明に覚えているし、当時採集した標本もちゃんと残っている。 ゼフィルスはなんだかんだ全種のうち半数くらいは採集しただろうか。しかし、いつの間にか興味が薄れて採集もしなくなってしまった。そんなミドリシジミだが、この日は昼間から堂々と葉上にとまり、逃げようともしなかったのでゆっくり撮影させてもらった。いざ撮影を始めるとやっぱりミドリシジミは良い虫だなぁと思う。本当はこんな美しい虫をゆっくり撮影して楽しむ時間が欲しいのだが、なかなかそうもいかない今日この頃である。この日もささっと撮影をして、時間に追われるかたちで次の場所に移動したのだった。
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イソジョウカイモドキ
http://cybister20.exblog.jp/33260061/
2023-05-17T17:00:00+09:00
2023-05-17T17:01:11+09:00
2023-05-16T14:48:58+09:00
shingo-ayumi
虫いろいろ
〈イソジョウカイモドキ Lasius asahinai, 神奈川県〉 数年前に砂浜で偶然イソジョウカイモドキという昆虫を採集しました。神奈川県のレッドリスト2006では絶滅危惧II類に判定されているジョウカイモドキ科の海岸性昆虫です。砂浜というより岩場にいる昆虫で、なおかつ発生時期が限られることから、発生時期にちゃんと探しに行こう!と思いつつも、そのまま数年が経過してしまっていました。〈イソジョウカイモドキ♂〉
オスは独特な触覚がなんともカッコイイ虫です。この虫がもし大きい虫だったら、人気昆虫になっていたでしょう。体長は2.5mmくらいです。〈イソジョウカイモドキ♀〉
メスにはカッコイイ触覚がありません。 この日は昼過ぎ(14時半くらい)に観察に出かけました。日の当たる岩礁上を飛翔したり、世話しなく歩き回っていました。しかし、捕まえようとするとピタッと静止して撮影しやすい虫だなと思いました。 大きさはこんな感じ。〈クロコブセスジダルマガムシ〉
ちなみに近くの窪みの中には多数のクロコブセスジダルマガムシが集まっていました。
〈生息地の様子〉 さて、翌日は午前中(10時頃)に同じ場所に行ってみました。この日も気温は高く良い天気です。〈ケシウミアメンボ〉
タイドプールのはケシウミアメンボがたくさんいました。 昨日まで、クロコブセスジダルマガムシがたくさん集まっていた穴を覗いてみると1個体もいません。散ってしまったようで、周辺に単独で活動する個体が多く見られました。〈イソジョウカイモドキの幼虫〉
さて、磯に着いてイソジョウカイモドキを探し始めましたが、まったく見つかりません。昨日はあんなにたくさんいたのに、どこに行ってしまったのでしょうか?しかし、昨日は見られなかった幼虫がたくさん見られました。幼虫も岩礁上を世話しなく歩き回っていました。〈イソジョウカイモドキの幼虫〉
最初の写真は終齢幼虫でしょうか?二枚目の写真は少し小さくてピンク色が目立ち、おそらく齢期が異なるのではないかと思われます。
やっといた! オスも見つけた!
しかし、見つけた2個体の成虫は全然動きません。岩の上に静止してじっとしています。成虫は動いていると目立ちますが、動かないとなかなか気が付きません。 後から調べたところ、イソジョウカイモドキは14時頃から活動が活発になり、夕方になると岩の窪みに隠れてしまうという報告がありました(松田・川野,2014)。このことから、昨日はちょうど活動が活発になる時間に行ったからたくさん見つけられたということで、午前中は歩き回らずジッとしていることが多いのかなと思いました。
ということで、海岸性昆虫「イソジョウカイモドキ」に少しはまっている今日この頃です。
松田真紀子・川野敬介,2014.下関市のイソジョウカイモドキの生態と分布.豊田ホタルの里ミュージアム研究報告書, (6): 113-117.
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トウカイコルリクワガタを探しに冬山を登ってきた
http://cybister20.exblog.jp/32705815/
2022-12-31T18:01:00+09:00
2022-12-31T18:05:26+09:00
2022-12-31T18:01:17+09:00
shingo-ayumi
虫いろいろ
神奈川に現存するクワガタの中では唯一採集したことがなかったトウカイコルリクワガタを探しに冬山に登ってきました。 登山道を大きく外れてガレ場や斜面を登ります。〈ナガレタゴガエル〉 ガレ場の沢にはナガレタゴガエルがたくさん集まっていました。〈ハコネサンショウウオ〉
こういう場所にはやはりハコネサンショウウオがいます。こんなに水が冷たいのに元気です。 道なき斜面をよじ登り・・・ 良い感じの材を見つけたジョーくん 材にはルリクワガタ属の産卵痕が付いています。 トウカイコルリクワガタは、他の3種(ルリクワガタ・ホソツヤルリクワガタ)と違い、細い枝のような材に産卵するようです。〈トウカイコルリクワガタの幼虫〉 産卵痕の付いた良い感じの太さの材をいくつか見つけましたが、幼虫が入っていない材も多くありました。 こちらは普通のルリクワガタか、ホソツヤルリクワガタの幼虫です。正直幼虫を見ただけでは違いが分かりませんが、入っていた材からなんとなく分かります。〈ルリクワガタ〉
最後にジョーくんがルリクワガタの成虫を採集しました。 ちなみに帰り際、一緒にいったやぐっちゃんが、誰もいないはずの日が落ちる直前の標高1000mのガレ場で謎の男性と出会い声をかけられたそうです。僕らが材割をしている間に、やぐっちゃんは一人サンショウウオの撮影をするためにガレ場に戻ったのですが、そこに突然男性が現れ、直後どこに行ったのか…。ガレ場の上流は途中で行き止まりだし、そもそも僕らはそこから下りてきたわけだし…。幽霊と会話したんじゃない?と帰りの車で盛り上がったのでした。
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神奈川のムネアカハラビロカマキリ(2022)
http://cybister20.exblog.jp/32561940/
2022-12-01T18:31:00+09:00
2022-12-01T10:44:21+09:00
2022-12-01T10:44:21+09:00
shingo-ayumi
虫いろいろ
〈ムネアカハラビロカマキリ Hierodula sp. 神奈川県〉 先日、丹沢に登ったものの雨が降ってきたので早々に下山しました。しかし、ここまで来てただ帰るのももったいないので、ムネアカハラビロカマキリの観察に行ってみることにしました。 11月末の水田。ムネアカハラビロカマキリはハリガネムシに寄生されている率が高いので水辺を探します。 今年は温かくまだまだ虫たちの姿を見かけます。 はやにえにされたエンマコオロギ いたいた!ムネアカハラビロカマキリです!
〈ムネアカハラビロカマキリの卵鞘〉
卵鞘は細い枝に産み付けられるのが特徴です。 櫻井ほか(2018)や苅部・加賀(2019)で神奈川のムネアカハラビロカマキリの報告が詳細に発表されていますがそれから数年。現在はもっと分布を拡大している可能性が高いと思います。僕も数年前に海沿いの河川敷で本種を見つけたことがありました。三浦半島ではまだ確認されていませんが、これから10年経ったらどうなるか分かりません…。
櫻井博・苅部治紀・加賀 玲子, 2018. ムネアカハラビロカマキリの非意図的導入事例―中国から輸入された竹箒に付着した卵鞘―. 神奈川県立博物館研究報告(自然科学), (47): 67-71.
苅部治紀・加賀玲子, 2019. 神奈川県におけるムネアカハラビロカマキリの新産地と分布拡大に関する生態的知見. 神奈川県立博物館研究報告(自然科学), (48): 75-80.
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地元のクワガタ調査も終盤(2022年10月)
http://cybister20.exblog.jp/32462412/
2022-11-04T18:11:00+09:00
2022-11-04T18:11:59+09:00
2022-11-04T18:11:59+09:00
shingo-ayumi
虫いろいろ
〈ヒラタクワガタ,横須賀市〉 6月から始めたクワガタ調査ですが、9月、10月になるとコクワガタとヒラタクワガタの個体数が増えました。ヒラタクワガタにはマーキングをして逃がしました。マーキング個体は10月中旬までは同じ洞にいましたが、10月下旬以降はみんなどこかに行ってしまいました。 下旬になるとさすがに寒い日も増えて、コクワもヒラタも数を減らしましたが、それでも場所によってはまだまだ見られます。
さて、クワガタたちはいつまで見られるのでしょうか。
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黄色いハラビロカマキリとヒナカマキリ
http://cybister20.exblog.jp/32409184/
2022-10-22T21:24:00+09:00
2022-10-22T10:39:00+09:00
2022-10-22T10:39:00+09:00
shingo-ayumi
虫いろいろ
〈ハラビロカマキリ黄色型〉 去年の今頃も同じような話を書いた気がしますが、今年も黄色いハラビロカマキリを見つけました。去年見つけた個体に比べると若干色がくすんでいて褐色型に近い個体でしたが、それでも可愛らしいです。 ちなみにこの個体は三浦市で採集した個体で、持ち帰ってきてやらせ撮影をしました!笑〈ヒナカマキリ〉
こちらは日本一小さなカマキリであるヒナカマキリです。 観音崎周辺は比較的多く見られます。 ヒナカマキリはシイやタブ林を好むとされますが、観音崎周辺の森はスダジイ、マテバシイ、タブノキが優先する林が多いのでこれが理由でしょう。ちなみにシイやタブ林を好むことはよく知られていますが、そのような林に限定されるわけではないようで、ヒノキ林での発生について書かれた報告も出ていました(竹内ほか,2012)。 ヒナカマキリは個人的には好きなカマキリです。故郷の横浜市金沢区ではそれほど多くなかったので、見つけると嬉しい種でしたが、観音崎に来てからはたくさん見られて嬉しいです。
竹内将俊・腰塚祐介・行政邦彦・稲垣仁太・加藤 聡, 2012. ヒノキ植林地におけるヒナカマキリの産卵場所と生活史. 東京農大農学集報, 57(3): 216-221.
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オオヒョウタンゴミムシ
http://cybister20.exblog.jp/32365093/
2022-10-07T19:11:00+09:00
2022-10-07T18:03:36+09:00
2022-10-07T17:37:33+09:00
shingo-ayumi
虫いろいろ
〈オオヒョウタンゴミムシ Scarites sulcatus (Olivier,1795),伊豆諸島〉 オオヒョウタンゴミムシは大型のゴミムシの一種で、大きいものは50mmにも達するというかなりカッコイイ甲虫です。海浜や河原の砂地に生息していますが、多くの地域で数を減らし、絶滅危惧や絶滅になっているところも多いようです。
そんなオオヒョウタンゴミムシを今回伊豆諸島で観察してきました。〈落ち葉の下に隠れるオオヒョウタンゴミムシ〉
昔、東海地方で偶然見つけた時は海浜だったので、海浜性昆虫であるイメージが強かったのですが、今回散々浜を探しても見つけられず、結局外灯に飛来した個体を見つけて観察しました。 散々浜を歩き回ったものの見つけられず、疲れてふと空を見上げると満天の星空。でもすぐに地面に目を戻してオオヒョウタンゴミムシ探しを再開です! 今回観察した個体はすべて外灯下や林道で見つけました。浜にもいるはずなんですけどね…。 撮影したり観察をしていたのですが、どうやら湿った場所が好きなようで、飛来してすぐの個体はコンクリートの上にいますが、それから歩いてジメジメした場所に移動するようで、外灯近くの湿った場所に溜まっている様子も観察できました。
そういえば、以前飼育した時も、乾燥した砂で飼っているとすぐに死んでしまい、若干濡れているような砂で飼うと長生きしたことを思い出しました。 おや?何か食べている? ダンゴムシを捕食している個体を多く見かけました。
ちなみに娘はオオヒョウタンゴミムシの魅力がまだ分からないようで反応はイマイチ(ほぼほぼスルー)でした…笑]]>
パリーミヤマクワガタ
http://cybister20.exblog.jp/32329158/
2022-09-28T18:49:00+09:00
2022-09-28T14:05:12+09:00
2022-09-28T14:05:12+09:00
shingo-ayumi
虫いろいろ
〈パリーミヤマクワガタ Lucanus parryi〉 少し前の話ですが、大学時代の後輩のMくんがパリーミヤマクワガタを送ってくれました。
ずいぶん前にミクラミヤマクワガタの話をした時に、ミクラミヤマの近縁種であるパリーミヤマを見てみたいなぁと話したことを覚えていてくれたそうで、「手に入りました!」と送ってくれたのです。パリーミヤマクワガタはブリーダーの中でもなかなか手に入りにくい種だそうです。さりげない会話だったのに覚えていてくれて嬉しい限りです。〈パリーミヤマクワガタ〉
ミヤマなので高温には弱いかなぁと思い、24℃に設定したインキュベーターの中で大事に飼っていたのですが、先日ついに死んでしまいました。標本にしようと思っていたのですが、死んだ途端脚がバラバラに取れてしまい、なんとかくっつけて標本にしました。
パリーミヤマは中国の福建省、江西省、浙江省、雲南省などに生息しているそうです。世界で日本の御蔵島・神津島にしかいないミクラミヤマクワガタに最も近縁な種ということで名前は知っていたのですが、他のことはまったく知りませんでしたし、生きている個体を見るのは初めてでした。
いざ手に取ってみるとミクラミヤマよりぜんぜん大きく尚且つ繊細さも残していて日本では見ないタイプのクワガタだなと思いました。
〈ミクラミヤマクワガタ Lucanus gamunus〉
ちなみにこちらがミクラミヤマクワガタです。大きさに差があるため似ていないように感じてしまいますが、触覚の形状などよく見ると確かによく似ています。
Mくんへの恩義は良い虫で返そう!と思ったのでした。
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