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オオイチモンジシマゲンゴロウ(カンボジア産)

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〈オオイチモンジシマゲンゴロウ Hydaticus sp., カンボジア〉
 カンボジアで見つけたオオイチモンジシマゲンゴロウです。
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 「キンブチゲンゴロウ」という商品名で売られているのは本種だと思われます。ちなみに雄交尾器の形状は、リュウキュウオオイチモンジシマゲンゴロウに酷似しています。オオイチモンジシマゲンゴロウの仲間は東南アジアからインド、スリランカの方まで広く分布していて、まだまだ分類がよく分かっていません。
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 鞘翅の模様は様々なパタンーンがありました。
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 生息環境もリュウキュウオオイチモンジシマゲンゴロウとそっくりで、源流域や林内の小さな水溜りの落ち葉の中から得られました。ただ、見られたのは低山地で、山地に行くとSandracottus属のゲンゴロウが優先するようで、うまく棲み分けしている印象でした。


by shingo-ayumi | 2019-04-30 22:49 | ゲンゴロウ | Comments(0)

タイワンタガメ

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〈タイワンタガメ Lethocerus indicus, カンボジア〉
 タイワンタガメは東南アジアに広く分布するタガメです。日本では与那国島で記録がありますが、台湾から偶発的に飛来した個体だと言われています。
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 タイワンタガメは東南アジアに広く分布すると言われていますが、東南アジアに分布するタガメは1種ではなく、タイワンタガメ L.indicusの正確な分布は分かっていません。また、近年は各国で激減しており、現時点でどのくらい残っているのかも分からない状況です。
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 カンボジアでは、低山地にある川の淀みと低地の休耕田で見つけることができました。低山地の川は、川底に堆積した落ち葉の中から得られたのですが、いつもここにいるというわけではなさそうでした。
 カンボジアでは乾季・雨期によって、水辺環境は大きく変わるようで、この時は乾季だったこともあり、田んぼや湿地に水がなく、とにかくどこでもいいから水辺に入ろう!という感じだったのかもしれません。また、日本のタガメ同様に、多様な水辺を移動しながら生活している可能性もあると思います。
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 市場ではこのように食材として売られています。採集している人に話を伺ったところ、ゲンゴロウやコオロギのように、そもそもたくさんいる虫ではなく高級食材だそうです。この時探した市場でもタガメが置いてある店は一店だけでした。
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 平地の休耕田では農薬によるものなのか、たくさんの死体を見つけました。
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 虫とりの人が最近少なくなったと言っていましたが、実際その通りなのかもしれません!
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 今まで行った東南アジアの国はすでに農薬をばんばん巻いていて、タイワンタガメの「タ」の字も見当たりませんでしたが、カンボジアも近い将来危ないかもしれません…。


by shingo-ayumi | 2019-04-27 23:26 | タガメ | Comments(0)

カンボジアの旅(2019) ~その3~

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 旅の後半は、平地の氾濫原を見るために、山地を離れて、カンボジアでは有名なトンレサップ湖周辺にやってきました。この日は移動だけで時間がかかってしまったので、採集はおこなわず、虫が売ってそうな市場を見て回りました。
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じゃーん!いっぱい売ってる!!
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 タイワンタガメもてんこ盛りです!ただ、やはりタガメは他の虫に比べて数が少なく高級食材だそうです。私がタガメを買うと、サービスでゲンゴロウも付けてくれました。
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 ゲンゴロウとガムシもいっぱい!

 よく見るとガムシが大半を占めています。しかし、それはお店によりけりで、ゲンゴロウがいっぱい入っているお店もありました。採集している場所によって違うのでしょう。そもそもゲンゴロウとガムシはあまり区別されていないようです。
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 サービスでもらったゲンゴロウ。売られているゲンゴロウの種類は大半がコガタノゲンゴロウで、他は少ないですがヒメフチトリゲンゴロウとCybister gueriniが混ざっていました。好きなのを選んで良いとのことで、ヒメフチトリゲンゴロウとC.gueriniをいただきました。
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 トンレサップ湖周辺を移動していると、水田に白いビニールのようなものが設置してありました。これは虫を採るためのライトトラップだそうです。ガイドのCさんの話では、主にコオロギを採るそうですが、一緒にゲンゴロウやタガメも採るそうです。夜はブラックライトの紫色が田んぼじゅうに光って面白い光景になるそうです。
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トンレサップ湖畔の氾濫原。
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 トンレサップ湖畔には、川沿いや道沿いに氾濫原ならではの町が形成されています。この時は乾季だったので、分かりにくいのですが、雨期になると水面が上がり、船を使った水上生活になるそうです。そのため、家もかなり高さのある高床式に作られています。
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 ちなみにこの町は観光客も多いようで、住民も観光客慣れしているようでした。物乞いや商売人も多く、これまで見てきた山地の農村とはずいぶん異なる雰囲気でした。また、トンレサップ湖では漁や養殖も盛んにおこなわれているようで、投網や刺し網、もんどり等の漁具がたくさん置いてありました。
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 そんな水上都市の一角で虫を採っている人がいたので話を伺いました。
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 白いビニールにブラックライトを当てて、そこに寄ってきた虫は下のトレイに落ちるという仕組みですね。
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 C.gueriniが一匹死んでいたのでいただきました。虫とりのオジサンにゲンゴロウとタガメを探していることを伝えると、ゲンゴロウ・タガメは主に雨期の5月~6月頃に多く採れるとのことでした。しかし、近年は少なくなっているそうです。なぜ少なくなっているかは分からないようでしたが、その理由については後ほど…
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〈トンレサップ周辺の水田地帯〉
 さて、この日の夜は、これから後半戦に突入するということで、比較的大きな町のホテルに泊まり、お世話になっているガイドのCさんと運転手のSさんも交えて飲み会をしようということになりました。カンボジアの人気ビール「アンコールビール」で乾杯し、いろいろな話をしました。実はガイドのCさんは私と同い年なんです。地方の村の6人兄弟の真ん中に生まれ、カンボジア内戦を経験し、地雷撤去の仕事をし、仕事をしながら首都プノンペンにできた日本語学校で日本語を勉強したそうです。ちなみに子どもの頃は、サデ網を使ってタガメやゲンゴロウも採ったそうです。そして現在はガイドの他にも通訳やいろいろなビジネスを行っているそうです。日本で生きている私たちには絶対に経験しえない人生を歩み、人を蹴落とすことをせず自分を高めることに集中する同世代に大きな影響と刺激を受けました。こうして、夜遅くまで飲み語り合ったのでした。
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〈スクミリンゴガイの卵塊〉
 さて、翌日はあらかじめチェックしておいた水辺に行きました。休耕田や氾濫原が広がる地域です。休耕田に生えた草には南米からの外来種スクミリンゴガイの卵塊が付いていました。
 さらに草を掻きわけると大きな虫が!
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 タイワンタガメだ!・・・けど死んでる!
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 さらにC.gueriniだ!・・・しかしこいつも死んでる!
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 よく見るとタガメやゲンゴロウ、ガムシがたくさん死んでいるではありませんか!やや!これはまさか・・・と、あたりを見渡すと、まだ使用して間もない農薬のビンが大量に捨ててありました。
 ガイドのCさん曰く、近年ベトナム産の農薬が流通し始めたとのことです。そういえば、数年前ベトナムのハノイで農薬を撒いている人に話を聞いたことがありました。農薬を撒いた後のハノイの田んぼでは昆虫が何も採れなかったことを思い出します。
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 虫とりのオジサンが近年ゲンゴロウ・タガメが少なくなったと言っていましたが、それはこの農薬の影響なのかもしれません。知らないうちに、よく分からないうちにゲンゴロウ・タガメはいなくなってしまうのでしょうか。かつての日本がたどった失敗の歴史を同じように進まないでほしいという気持ちはありますが、日本人の立場で言えることやできることを考えなくてはなりません。ガイドのCさんとはそんな話をしながらその場を去りました。
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 さて、翌日は、トンレサップ湖と氾濫原をもっと間近で見てみようということで、船にのって湖を見学しました。
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 水上都市を通ってトンレサップ湖に向かいます。
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 トンレサップ湖に浮かぶ水上レストラン。
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 水上レストランで食事はしませんでしたが、トンレサップ湖の様子がよく分かりました。それにしても大きな湖ですね。ちなみに乾季・雨期によって、湖の面積や水深は大きく変わるそうです。
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 氾濫原では魚の養殖やハスの栽培などがおこなわれていました。
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 このトンレサップ湖周辺の氾濫原は旅の最終日までとどまり、湖沿いにゲンゴロウがいそうな場所を探しまわりました。それにしても本当に広大な氾濫原です。雨季になったらもっと広くなるのでしょう。
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〈ヒメフチトリゲンゴロウ〉
 ゲンゴロウは氾濫原やハス田ではそれほど採れず、休耕田や水田に多くいる印象でした。
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 淡水魚もちらほら
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 場所によっては乾季末期ということもあり、完全に干上がっている所もありました。
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 日本の昔の写真で見るような田園風景ですね。
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 トンレサップ湖周辺では、山地や低山地で多く見られたC.gueriniは少なく、コガタノゲンゴロウ、ヒメフチトリゲンゴロウが優先している印象でした。特にコガタノゲンゴロウはたくさんいました。また、山地では見られなかったC.siamensisも見ることができました。

 こうしてトンレサップ湖を満喫した私たちは、最終日は少し観光?をするためにタイ方面の山地を目指すことにしました。
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 そして、山地に向かう途中、今回の旅では見なかった貧栄養な湿原を見つけました。これは絶対珍しいのがいる!!と思い網を入れてみると・・・
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Cybister dehhanii
 やったー!デハーニーだ!!アジア最少のゲンゴロウ属です。ベトナムで採った時もそうでしたが、貧栄養な湿地を好むようです。
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 また日本のエサキタイコウチのような小さいタイコウチもいました。また、小型種もこれまで見なかったコツブゲンゴロウの仲間が数種見られました。
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 こうして私たちの1週間以上に及ぶカンボジアの旅は終了しました。今回の旅で、東南アジアに分布するほとんどのゲンゴロウ属を見られたというのは大きな収穫でしたが、それ以上に、ゲンゴロウは本来こんな場所に生息していたんだ!ということがいろいろイメージできたことがすごく勉強になりました。自分の祖父や祖母、また80歳以上の方がよく「昔、ゲンゴロウは水たまりにいた!」とか「どこにでもいた!」とか聞いていましたが、現代の日本に住む私には信じられず、子どもの頃の記憶が大げさになっちゃってるんじゃないの?くらいに思っていましたが、その話は本当だったんだ!昔の日本もきっとこうだったんだ!と考えが変わりました。

 ガイドのCさんといろいろ話せたことも刺激になりましたし、まだゲンゴロウ・タガメがたくさんいるうちにこの国から学ぶことはたくさんあると思いました。カンボジアにはまた何回か行かなくてはいけない!と強く思い帰国したのでした。


by shingo-ayumi | 2019-04-25 20:28 | | Comments(3)

カンボジアの旅(2019) ~その2~

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 最初に行った場所から3時間近く移動し、今度は比較的標高のある山地を流れる川にやってきました。
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〈上:Tetracanthagyna sp./下:Chlorogomphus sp.〉
 上のコシボソヤンマのようなヤゴはTetracanthagyna属のヤゴです。以前マレーシアやベトナムで見たことがありましたが、それよりもぜんぜん小さいので別種なのかもしれません。下のヤゴは日本にもいるミナミヤンマの1種です。
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 他にも多種多様なヤゴが見られました。ここはかなりトンボの多様性に富んだ場所でした。

 この場所は面白そうだったので、翌朝も行ってみることにしました。
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 翌朝、川をひたすら遡りながら森の中に入ってみました。
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 トンボの種類はカワトンボの仲間、ハナダカトンボの仲間、ルリモントンボの仲間、コヤマトンボの仲間、サナエトンボの仲間、Zygonix属、分類は分かりませんがイトトンボの仲間等いろいろ見られたのですが、時期的に若干早いようで、前日採れたヤゴの成虫は見られませんでした。
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森の中もジャングルという感じで魅力的でした!
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Sandracottus maculatus
 S.maculatusは、森の中にある小さな水溜りで見られました。
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 このゲンゴロウは、日本のシマチビゲンゴロウくらいの大きさで、ワンドや溜まりで見られました。以前マレーシアやベトナムでも標高の高い源流域で似たような種を採ったことがあるのですが、まだちゃんと調べていません。
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 お昼までゆっくり堪能して山を降りることにしました。
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 実は山に登る前にも川があり、気になっていました。この川は宿泊させていただいているお寺のすぐ横を流れています。明日はこの川に入ってみようということで、この日は17時くらいに終了しました。
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お疲れ様~
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 この時期のカンボジアは18時くらいに日が沈みます。
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 橋の上でたくさんのトンボが黄昏飛翔をしていました。
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 黄昏飛翔をしていたのはアメイロトンボです。

 その後完全に日が落ちて、あたりは真っ暗闇になりました。ガイドのCさんに夕飯を用意していただきみんなでご飯を食べました。


 そういえば、私たちが寝泊まりをしている所に一匹の犬がやってきてずっと近くにいました。東南アジアでは狂犬病の危険性があるので、犬には気を付けろとよく言われるので最初は警戒していたのですが、犬は怒っているわけでもなく懐いてくるわけでもなく、こちらが食事をしていてもねだりに来たりもしませんでした。こいつ何がしたいんだろうな~と思っていたのですが、夜に一頭のウシが敷地内に迷い込み、焦って走り回っていると、これまでずっと大人しかった犬が突然吠えながら走りだし、牛を敷地内から追い出してくれました。そうかこいつは番犬だったんだ!と感心しました。その後も何度か異変がありそうな時はすくっと立ち上がって走りだし、様子を見に行ってくれているようでした。なんて賢い犬なんでしょう!お坊さんにお客さんが来たらボディーガードをするように言われているのでしょうか?笑
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 さて、日が落ちてご飯を食べたらお待ちかね!夜の生きもの探しの時間です。お寺の敷地内には大木がいくつかあって、その根元や洞の中から次々といろいろな生き物が出てきました。そしてあの声も!

「ゲタゲタゲタ カッコウカッコウ!」

でた!

そしてついに「カッコウ」の正体が明らかになりました!
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〈トッケイゲッコウ Gekko gecko
 声の正体はトッケイゲッコウでした。日本のペットショップでは「トッケイヤモリ」の名で売られている人気ペットです。そういえば昔、ベトナムの田舎のホテルでも見たことがありました。そして、鳴き声ですが、「カッコウ」ではなく「ゲッコウ」でした。トッケイゲッコウはヤモリの模式種で、英名や学名の「gecko」は鳴き声に由来するそうです。この独特な鳴き声から、地域によって何回か連続で鳴くと幸福が訪れるというような言い伝えがあるそうです。
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 大きい個体は30cmくらいありましたが、上の写真のように小さい個体は10cmくらいで可愛いもんです。意外と凶暴で捕まえるとかみつきます!
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〈ヒキガエルの一種〉
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〈タマヤスデの一種〉
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〈サソリモドキの一種〉
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 このカエルはガイドのCさん曰く、カンボジアではよく食べられているそうです。こう見えて木登りも上手でした。
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〈サソリの一種〉
 さて、お寺から20分程歩いて、昼間のうちにチェックしておいた田んぼ脇の用水路に行ってみることにしました。昼間見た時はCybister gueriniやコガタノゲンゴロウなどがいたので、夜行けば泳いでいる姿を見ることができるんじゃないか!と期待していました。
 用水路に着いて、ライトを照らすと早速ゲンゴロウが泳いでいる姿を確認しました。
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Cybister guerini
 さらにカタヤマくんが「こっちいっぱいいますよ!」と言うので行ってみると、ライトに照らされた範囲内にトビイロゲンゴロウサイズのゲンゴロウが5, 6匹泳いでいるではありませんか!興奮して網で掬うと…やや!?これは!?
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Cybister fumatus
 日本のマルコガタノゲンゴロウに似たゲンゴロウ属の一種、Cybister fumatusでした!
 おぉすげぇ!初めてみた!しかもいっぱいいる!
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 さらにタッキーはC.fumatusがたくさんいる溜まりを見つけて、みんなで掬いまくりました。この溜まりは、水が茶色く濁っていて、空気を吸うために浮いてきたところを狙い撃ちで掬ったのですが、おそらく見えないだけでまだまだたくさんいるのでしょう。
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〈マダラゲンゴロウ〉
 日本では大東諸島でのみ記録があり、現在おそらく絶滅したマダラゲンゴロウもいました。

 というわけで、わずか30分たらずでC.gueriniC.fumatas、コガタノゲンゴロウ、マダラゲンゴロウ、オキナワスジゲンゴロウ、ウスイロシマゲンゴロウを確認することができました。中でもC.gueriniC.fumatasの個体数は多く、優先しているようでした。

 こうして大満足した私たちはお寺にもどり、興奮なりやまぬ気持ちのまま採ったゲンゴロウを撮影しました。そして12時半頃ようやくハンモックに入り、トッケイゲッコウの鳴き声を聞きながら眠りについたのでした。
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 翌朝、昨晩の興奮が残っていたのか、私としては珍しく6時頃から目が覚めました。そして7時くらいに朝食をいただき、お寺の横を流れる川に入り散策を開始しました。
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〈デンジソウの一種〉
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〈サナエトンボの一種〉
 8時半頃からトンボがたくさん飛び始めました。この時期の東南アジアでは、多くのトンボが8時頃から飛び始めて、気温が高くなる10時頃にはピークを過ぎてしまいます。暑すぎると飛ばなくなるというのはどこの国でも同じです。
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〈サナエトンボ科の羽化殻〉
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Chlorogomphus sp.〉
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 この川では淡水魚の種数が多く、ハゼの仲間、ナマズの仲間、ドジョウの仲間、ライギョの仲間、ゴクラクギョの仲間、コイ科の仲間など、上の写真以外にも様々な種が見られました。
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 というわけで、山地・低山地に2泊3日留まり、次は、低地の氾濫原に向かうことにしました。旅の前半戦はこれで終了です。


by shingo-ayumi | 2019-04-23 21:24 | | Comments(2)

カンボジアの旅(2019) ~その1~

 2019年4月、カンボジアに行ってきました。目的はもちろんゲンゴロウです!
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 さて、朝成田を出発してカンボジアの首都プノンペンに着いたのは夕方だったので、その日は目的地に行く途中の町で一泊し、翌日から行動を開始することになりました。

 道は途中から未舗装になり、デコボコ道を揺られること約3時間、ようやく目的のひとつであった湖に到着し、湖の氾濫原で採集をし、再び移動をしました。山の方向に向かうこと1時間、本当の目的地に着いたのは15時半頃でした。すいぶん遠いところまで来た気がしました。
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 川に行く予定だったのですが、途中車での走行が難しいとのことで、徒歩で向うことになりました。ところが近くの村で話を聞くと、道がとても複雑とのことで、村のオジサンが案内してくれることになりました。

 川に向かうための林道は、おそらく山の作業をするために切り開いた道なのでしょう。確かにかなり入り組んだ林道でした。
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 途中オジサンが動物を捕獲するためのトラップをチェックしていました。これはサルを捕らえるための罠だそうです。
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 歩くこと20分くらいでしょうか。ようやく川に到着しました。これは絶対一人では行けないし帰れません…。ちなみにこの川は、現在のような乾季は渇水で流れが無くなるそうです。そして途切れ途切れになった川は、谷沿いにたくさんの池となって残るそうです。

 というわけで、さっそく網を入れてみることにしました。すると!!
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 えぇーーーいきなり!!??
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 でたー!タイワンタガメです。
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〈タイワンタガメ〉
 まさか森の中の落ち葉が堆積した水辺で採れるとは思いませんでした。
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〈タイコウチの一種〉
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〈ミズカマキリの一種〉
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〈オオイチモンジシマゲンゴロウの一種〉
 他にもタイコウチやミズカマキリ、オオイチモンジシマゲンゴロウ、オキナワスジゲンゴロウ、ウスイロシマゲンゴロウなど水生昆虫がたくさん採れました。

 しかし、止水性の水生昆虫だけでなく、サナエトンボやコヤマトンボ、カワトンボなど、流水性の水生昆虫も同所的に見られました。これはすごいぞ!ということで、明日も朝からこの場所に行きたいので案内をお願いできないかとオジサンに尋ねると、この場所以外にも水辺がたくさんあるので案内してくれることになりました。
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 さて、この日はこんな山の方まで来てしまったので、当然近くにホテルはありません。ましてや町すらありません。そんなわけで、近くの村にあるお寺にお願いして泊めていただくことになりました。ただし、泊めていただくと言っても敷地内で野宿です!笑 一応屋根のある掘っ立て小屋をお借りしてハンモックを設置しそこで寝ることにしました。 
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ハンモックに入ってご機嫌のカタヤマくん。ちなみにこのハンモック、カヤが付いていて虫が入ってこないようになっている優れものです! 
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 仲間たちはみんなフィールド慣れしているので、ハンモック泊も楽しそうでした☆
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 夜はガイドのCさんがお米を炊いてくれて、さらに運転手のSさんも奥さんが作ってくれたというお弁当を出してくれました。美味しい夕飯をありがとうございました。ちなみに運転手のSさんはめちゃくちゃ強力そうなパチンコを持っていました。Cさんが笑いながら「防衛用です!」と言っていました。
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 夜は集落周辺で生き物探しをし、12時頃にはハンモックに入りました。近くの木の上から「ゲタゲタゲタ カッコウカッコウカッコウ」というヘンな鳴き声が聞こえました。なんの鳴き声なのか、ライトを照らしてみましたが正体は分かりませんでした。この正体は後ほど明らかになります。ちなみにこの時期のカンボジアの夜は基本的には暖かい(暑いくらい)のですが、朝方3, 4時頃は冷え込み、半そでだと少し寒かったです。 

 翌日、朝食を食べて、オジサンとは7時半に待ち合わせだったので、それまで集落内をうろうろしました。
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アリジゴクだ!!
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 掘り返してみましたが、特に変わった形をしているわけでもなく、日本のウスバカゲロウと似たような幼虫でした。 
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 オジサンと合流して、今度は村の裏から新たな水辺に向かいます。途中リスや鳥がいて、一緒に行ったタッキーとカタヤマくんは観察していました。
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 タマヤスデの仲間やタマムシの翅も拾いながら現地に到着しました。

 案内していただいた場所は、翌日の水辺の上流にあたるようで、少しだけ流れがあり、サナエトンボやコヤマトンボの成虫、ミズスマシ等がみられました。
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 珍しそうなコヤマトンボの一種。オジサン曰く上流にも下流にも水辺があるとのことなので、私は谷に沿って散策してみることにしました。すると比較的大きな池があり、網を入れてみると・・・
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やったー!!大型のゲンゴロウです!種類はCybister gueriniです。
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 その後、頑張ってずいぶんたくさんの水生昆虫を見つけることができました。また、ライギョやコイ科の淡水魚、イシガイ科の貝なども確認できました。出だしはかなり好調です。
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 というわけでお昼頃村に戻り、案内していただいたオジサンやお寺のお坊さん、村の皆さんにお礼を言って次の場所へ移動を開始しました。


by shingo-ayumi | 2019-04-22 21:39 | | Comments(2)

Cybister guerini

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Cybister guerini, カンボジア〉
 「Cybister guerini」と書きましたが、これが本当に正しい学名なのかははっきりしていません。Hendrich・Brancucci (2013)でも「Cybister guerini」と「Cybister limbatus(←日本にも分布するフチトリゲンゴロウ)」が混同されていることを指摘しており、この論文では「Cybister limbatus」に統一して扱っています。しかし、日本にいるフチトリゲンゴロウCybister limbatusとは別の種がいることは確かで、今回このブログで紹介するのはその別種の方です。というわけで、このブログではその別種を「Cybister guerini」として扱うことにしました。
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 C.gueriniは、日本にいるフチトリゲンゴロウC.limbatusとよく似ています。
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 腹面はワインレッドのものや黒いものがいて、体長は、今回私が見つけた個体に関しては33mm~37mmでした。日本のフチトリゲンゴロウC.limbatusとは一見区別がつきにくいのですが、C.gueriniの方が丸っこく若干小型で(中にはフチトリと変わらない大きい個体もいますが)、数を見ていると、だんだん外見でも区別がつくようになってきました。もっとも雄交尾器を見れば確実です。
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 ちなみに時々日本で「フチドリゲンゴロウ」や「ニセフチトリゲンゴロウ」と呼ばれている海外産の種のほとんどは本種だと思われます。
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〈生息地の様子〉
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 今回採集したのは、水草が繁茂したいかにもゲンゴロウがいそうな水辺から、水草が何もない池、落ち葉が堆積するような暗い池、休耕田、水田脇の水路、川まで、本当に様々な環境で採集されました。フチトリゲンゴロウに比べて選好性が低いのでしょうか?ただ、低山地では他種に比べて最も多い優先種だったのに対して、平地では少なく、ヒメフチトリゲンゴロウやコガタノゲンゴロウが優先していたので、本質的には丘陵地や里山的な環境が好きな種なのかもしれません。
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 フチトリゲンゴロウには2種類いる!というのが分かったのは、学生時代、指導教員で師匠であるK先生と一緒に東南アジア産のゲンゴロウの標本を見ている時でした。その後、博物館の標本庫で「C.guerini」という名を知り、ひたすら交尾器を抜いて撮影しました。それから約10年。今まで東南アジアの国を旅してきて今回ようやく生きたC.gueriniを野外で観察することができました。私にとって、これらアジアのゲンゴロウ属のことを調べていくことが生涯の課題です。
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C.gueriniの素揚げ〉
 最後に、市場でもらったC.gueriniの素揚げです。

 タイワンタガメの素揚げを買ったらサービスでゲンゴロウも付けてくれました!笑


by shingo-ayumi | 2019-04-21 23:05 | ゲンゴロウ | Comments(0)

Sandracottus maculatus

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Sandracottus maculatus, カンボジア〉
 日本にはいないSandracottus属のゲンゴロウです。大きさはメススジゲンゴロウくらいあって、中型種としては大きい方だと思います。日本では「ラデンゲンゴロウ」の商品名で時々販売されているそうです。
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 Sandracottus属の種は、模様がはっきりしていてきれいですね。また、個体によって様々な模様のパターンがあります。
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〈生息地の様子〉
 本種を見つけたのは、山地の上流域にできた小さな水溜りです。
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  落ち葉が堆積したような場所を好むようです。
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 一つの水溜りに4,5個体程見られました。ちなみに同じカンボジアでも低地で上の写真のような場所を探すと、オオイチモンジシマゲンゴロウが採れました。標高によって棲み分けしているのでしょうか?
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Sandracottus mixtus, カンボジア〉 
 ちなみにS.maculatusに比べると数は少なかったですが、同属のS.mixtusも同所的に見られました。S.mixtusはベトナムでも採ったことがありますが、その時採れたのは山地にある落ち葉等はない明るい水溜りでした。今回採れた個体は、ベトナムの個体とは模様少し違うし、生息環境も違うので、もしかしたら別種?なのかもしれません。


by shingo-ayumi | 2019-04-20 21:12 | ゲンゴロウ | Comments(0)

Cybister siamensis

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Cybister siamensis, カンボジア〉
 日本のクロゲンゴロウやトビイロゲンゴロウより一回り大きな黒系のゲンゴロウ属です(コガタノゲンゴロウくらい)。
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 黒系のゲンゴロウ属は、東南アジアにおいての以下の3種が記録されています。

C.siamensis(東南アジアに分布)
C.sugillatus(日本の南西諸島にも分布する和名トビイロゲンゴロウ)
C.dehhanii (東南アジアに分布)

 C.dehhaniiは明らかに小さいので一目で見分けられるのですが、C.siamensisとC.sugillatus(トビイロゲンゴロウ)の体格差はそれほどありません。しかし、前胸背の淵のオレンジ色の出方で見分けが付きます。
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 黒系のゲンゴロウ属の中では最も大きく厚みがあります。
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〈生息地の様子〉
 今回の旅では、1ヵ所でしか見つけられませんでした。トビイロゲンゴロウやコガタガムシと同所的に見られましたが個体数は少なかったです。

 Hendrich・Brancucci (2013)によれば、東南アジアに広く分布するものの採集記録は極めて少なく、低地の熱帯雨林に生息しているとされていますが、今回私が確認したのは低地の氾濫原でした。水生植物が繁茂し、他の氾濫原に比べるといくらか水質が良い場所でした。


by shingo-ayumi | 2019-04-19 22:10 | ゲンゴロウ | Comments(2)

マダラゲンゴロウ

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〈マダラゲンゴロウ Rhantaticus congestus, カンボジア〉
 日本では、大東諸島でのみ記録されているゲンゴロウです。10年以上前にマダラゲンゴロウを探しに南大東島・北大東島に行きましたが、その時にはすでにいなくなった後だったようで、採集することができませんでした。
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〈生息地の様子〉
 カンボジアでは植物が生えていない明るい水田や水路で見られました。ちなみに上の写真の奥に映っている鳥はコウノトリの仲間だそうです。
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 上の写真の場所ではハイイロゲンゴロウと同所的に見られました。個体数は多くはありませんでしたが、各地で見られました。
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 鮮やかでカッコイイです!
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 上の写真は、夜間の水路で採集した時のものです。夜はとても見つけやすかったです。

 今回の旅では、昼間採集して、キープしておいた虫を夜撮影していたのですが、このマダラゲンゴロウは飛翔性が高いようで、撮影するために照らすライトに向かってブンブン飛んできて大変でした(2, 3匹逃げられました…笑)。


by shingo-ayumi | 2019-04-19 21:30 | ゲンゴロウ | Comments(0)

Cybister fumatus

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Cybister fumatus, カンボジア〉
 4月早々、ゲンゴロウの調査でカンボジアに行ってきました。今回の遠征はかなり良い成果で、今まで見たかった種をたくさん見ることができました。
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 そのうちの一種がこのCybister fumatusです。大きさや形態は日本のマルコガタノゲンゴロウによく似ています。
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 ちなみにゲンゴロウ図鑑では、マルコの分布はインドシナまであると書いてありますが、それはこのC.fumatusのことを言っているのではないか?と勝手に考えています。
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 腹面はマルコほど黄色くありません。ヒメフチトリゲンゴロウのような感じです。
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 C.fumatusの存在は以前から知っていたのですが、野生で見るのは初めてで感激しました。
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〈生息地の様子〉
 本種を確認したのは、上の写真のような水田脇の水路でした。昼間救った時は採れなかったのですが、夜に行くとたくさん泳いでいました。
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〈夜間観察の様子〉
 一見水草もなく濁っている場所でも多産していました。ただ、当地ではたくさん見られたものの、カンボジア全体に普通にいるというわけではなさそうでした。各地を1週間かけて回りましたが、結局本種を確認したのは1か所だけでした。採集地の環境だけ見るとどこにでもいそうな感じがしましたが、他の場所では見られなかったことから、決して普通種というわけではないのかもしれません。

 ちなみに、Hendrich・Brancucci (2013)によれば、ベトナム、ラオス、タイ、マレーシアなど東南アジアに広く分布し、標高180mから300mの低山地の川の近くのライトに飛来した例や原生林の浅い湿地で得られた例が紹介されています。

 今回採集したのは確かに低山地でしたが、原生林の湿地ではなく里山的な環境でした。まだまだ調べることが多そうなゲンゴロウです。



by shingo-ayumi | 2019-04-18 19:00 | ゲンゴロウ | Comments(6)